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日本にいた凄いエイジ・シューター
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               写真:ゴルフダイジェスト社
【蛇足的まえがき】
昨年末、アメリカ便り「歳より少ないスコアを出したアマ・ゴルファー」と題して、エイジ・シュートを700回達成した、デイビッド・フェアレイ(83才)をご紹介して、同氏はアマチュア・ゴルファーとしては、たぶん世界一だろう、とレポートした。すると、ブラジル在住の東海林正和さんから、日本に1,472回エイジ・シュートを達成した光輝高齢者がいる、という貴重な情報が届けられた。その方が熊本の植杉乾蔵さん(95才)である。
こういう情報提供はブログを発信している者にとって、非常に嬉しくかつありがたいことなのである。
さて、このShoji(東海林)さんはゴルファーとしても凄いのだが、本業でもブラジルで大成功している、経営者でもある。詳しくは回を改めてご紹介したいと思うが、同氏は日本のMANGAのポルトガル版をブラジルで出版する、出版社を設立し、同社をブラジル最大のMANGA出版社に育て挙げた。そして、ブラジルと日本で展開している、Japan Brazil Communication(通称JBC出版社)は、主力のMANGAの他にも、日本文化に関わる本(料理、折り紙、生け花など)をポルトガル語で出版している。なお、現在同社の経営は東海林さんの二人の娘さんが担当し、同氏はブラジルのビーチの自宅で28才年下の4番目のご夫人とゴルフ三昧の日々を送っている、良いご身分である。そのうちにエイジ・シュートの世界記録のニュースが舞い込んで来る、とテキサス無宿は期待している。
以下ブラジル在住のShojiさんによる、「アメリカ便り」の記事の訂正版かつ増幅版をお届けするにあたって、改めてShojiさんからの情報提供に厚くお礼を述べたい。
(テキサス無宿記)

アメリカ便り「日本にいた凄いエイジ・シューター」
                                                          by  東海林正和
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                 写真:東海林さん提供
 富田さん、いつもは愉快な小話で笑わせる富田さんが、どんな風の吹き回しか、今回は真面目なお話なので、少なからず驚きました。83才でエイジシュートを700回達成したデイビット・フェアレイさんは、本当に凄いと思います。ところが日本にはもっと凄い人がいます。
「日本人のアマチュア、植杉乾蔵という人が 2013年の 1月 14日に 89歳で 1,000回目のエージ シュートを達成し、2015年には 91歳で 1,300回目、そして その記録をさらに更新し 95歳になった 2019年 1月までに 記録を 1,472回までに伸ばしたそうで それが日本の最多記録である。」
エイジシュートを一生の内に一度でも達成する確率は、全ゴルファーの0,5%以下、すなわち200人に一人以下だとされています。今も昔もエイジシュートはゴルフにおける快挙であり、全てのゴルファーたちの夢であることに変わりはありませんが、お金が特定の金持ちだけに多く集まるように、エイジシュートも特定のゴルファーに集中して達成されるようで、全てのエイジシューターたちに万遍なく配分される性質のものではないようです。
私がエイジシュートを意識したのは10年前の68才の時でした。シニアートーナメントで同組だったナガオ・ヒデミ氏(当時77才)が、私の目の前でエイジシュートを達成したのです。彼の喜びようはひとしおではなく、「ホールインワンとは比較にならないくらい感動的だ」とのことでした(ちなみに彼はホールインワンも過去に2度ゲットしている)。その時私は、「80才までに自分も一度は達成して、同じ感動を味わいたいものだ」と思ったものです。アルジャー・ゴルフクラブのメンバーであるナガオ氏は、その後合計5回のエイジシュートを達成し、メンバーたちの羨望の的でした。

 74才で初のエイジ・シュート達成
 2016年5月に、私は74才で初めてのエイジシュートを達成し、目標をナガオ氏を超える6回達成に定めました。そして2018年2月にクラブ記録である6回目を達成し、その祝賀会の席上で、皆に100回達成の大ボラを吹いて、その目標に向かって歩み始めたのです。
奇しくも今年になってコロナのパンデミックが勃発し、自宅謹慎になりましたが、一か月後にゴルフ場が(条件付きで)再開されることになり、唯一の外出可能な場所がゴルフ場ということもあって、プレーする回数が急激に増えてスコアーがまとまりだしました。過去4年で43回達成したエイジシュートが、わずか7か月で37回(月平均5,4回)達成して80回になり、にわかに目標の100回を、予定より3年前倒しによる達成が現実味を帯びてきたのです。自分では想像もしていなかった、新たな自らの可能性を発見した心境です。おそらく来年の4月迄には到達出来ると思います。
「一年の計は、元旦にあり」といわれます。私は、元旦には79才になります。これまで生涯で多くのエイジシュートを達成した人たちは、79~81才の間に最も多くの回数を稼ぐとのことなので、この元旦には「新たな目標」を定めたいと思っているところです。週に4回、年間200回のペースでいけば、83才までに1000回プレーすることになる。2ラウンドに一回の割でエイジシュートが出れば、500回になりますが、健康面に問題がなく、最近のプレーのペースが保てれば、決して不可能な数字ではないような気がしています。
エイジ・シュートの規則
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               写真:東海林さん提供
 さて、話はデイビット・フェアレイさんのことに戻りますが、エイジ・シュートが正式に認められるためにはいくつかの「規定」があって、その一つに「全長6000ヤード以上のコースでの達成が必要」という項目があります。
彼のホームコースのシニア・ティーだと、6000ヤードに足りないので、正式にはエイジ・シュートとして認められない筈です。それと、正式な記録に残すためには同伴競技者のスコアー確認サインが必要で、家族と一緒や一人で回ったときの達成などは、有効ではありません。多分、デイビットさんは結構呑気な方で、シャカリキになってエイジ・シュートを目指しておられる訳ではなさそうなので、その辺は結構無頓着なのではなかろうかと思います。そのあたりについては、日本の植杉乾蔵さんの記録に関しても、コースの全長距離や同伴競技者の存在についての定かな情報がある訳ではありません。 

 ちなみに、私のホームコース、グアルジャーGCのレギュラー・ティー(シニア・ティーは無い)は、6109ヤードで、私のスコアーカードは全て同伴者のサイン付きで、サンパウロ・ゴルフ連盟に提出して登録されています。例えば、家内と回った時や一人でラウンドした時に出したエイジシュート(おそらく50回は下らない)は、勿論、数には入っておりません。常に同伴者が居るということも、実は簡単なことではありませんが、その点は、私は友人たちに恵まれていると思います。

 元旦を前に、刺激的なお話をいただいた富田さんには、心から御礼を申し上げたいと思います。何よりもまず健康を保つことが大切です。これまでよりも一層、身体に気をつけて、これから定める新たな目標に挑戦したいと思っています。 

 2020年12月28日、 ブラジル国・サンパウロ州、グアルジャーにて、
 東海林正和