アメリカ小話

芳紀まさに16才!

 

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   写真:(https://kateaspen.com)

【蛇足的まえがき】

 アメリカでは可愛い娘の芳紀16才の誕生日に両親が親戚、友人たちを招いて盛大なパーティーで娘の幸せを祝う習慣がある。このお祝いを一般的にスイート16(sweet 16)と呼ぶが、成人式(coming-of-age ceremony)を意味する。アメリカの成人式は、かつて上流社会のお嬢さまがたの社交界デビューの晴れ舞台だった伝統を引き継いで、主役のお嬢さまをエスコートする若者たちも招待される。と言うわけで、下記の小話も独身のハンサムで礼儀正しい若者たちが招待されている。では、パーティーをのぞいて見ましょうか?

(テキサス無宿記)

 

  一笑一若・アメリカ小話「芳紀まさに16才!」


 
米海軍の巡洋艦が乗組員の1週間の休暇のためミシシッピー河口の港に入港した。休暇初日、艦長は思いがけず、ニューオーリンズの富裕な大農園主の奥様から下記のような招待状を受け取った。

 

「親愛なる艦長殿、木曜日の夜、娘メリンダの成人式パーティーをとり行います。

そこで艦長殿にお願いがあります。当夜、4名の礼儀正しく、ハンサムな士官をパーティーにご招待したいと思います。午後8時にお待ちしております。

当夜、招待客は可愛らしい若いレイディーたちと南部特有の優雅な会話とダンスで楽しい一夜を過ごして、厳しい訓練のお疲れを癒していただければと思っております。最後にもう一つお願いがあります。メキシカンは送らないでください。私どもはメキシカンを好みません。では、よろしくお願いいたします」。

 

 木曜の夜8時、玄関のドアがノックされた。奥様がドアを開けると、海軍士官の制服をきちっと着用した、4名の端麗な顔立ちの黒人士官がにこやかに挨拶した。

 

 奥様はびっくり仰天して、どもりながら「こ、これは何かの間違いですわ」と言った。

 

「いいえ、マダム」と士官の一人は「我々の上官である、ガルシア艦長が間違うはずはありません」と礼儀正しく返答した。

 

お後がよろしいようで……。