アメリカ便り

アメリカ便り Letters from the Americas 様々なアメリカ&メキシコ事情と両国の小話

2011年05月

メキシコ小話 

 

これか、それとも昇給か?

 これは、19世紀のイギリス貴族の話である。
 
 粗ちん卿がキツネ狩りから帰宅すると、夫人のレディ・だぶだぶズロースは筋骨たくましい、キジ飼育係のウエル・アングと彼女のベッドで「…」の真っ最中だった。
 
 「何たるざまだ?」と卿は破廉恥な夫人を非難して、声を荒立てた。
「しかも、使用人と寝るとは、何たることか?」
 
 レディ・だぶだぶズロース:「だって、これか、それとも昇給かといわれたのよ」
 
(お後がよろしいようで)

メキシコ小話
 

抜 擢

 男は会社で気分が悪くなったので、部長に早退の許可を得ようとして探したが、見つからなかった。
やむを得ず、許可なしに家に帰って来ると、有ろうことか、部長が上機嫌と言うより、睦まじそうに男の女房と話し込んでいるではないか。
 
 部長は男を見るなり、
「良いところに来たな、メキネス君。丁度今、君の奥さんに会社で良いポストへの抜擢がある、と話していたのさ。勿論給料もグーンと上がる訳だ。
 但しそのポストに就くには、困難な状況に遭遇したとき,冷静に対処出来る性格と能力をもっている、と実証することが必要だがね」
 
(終り)

ムサシノキスゲ咲く浅間山

 5月初旬から下旬にかけて、府中の浅間山のムサシノキスゲは満開になる。そして週末ごとに、「キスゲフェスティバル」が開かれる。
 さて、ムサシノキスゲが浅間山で発見されたのは、昭和23年のことで、発見者は牧野富太郎博士の愛弟子の川村カウ先生だった。
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せんげん山公園入口     浅間山自然保護会がキスゲ・フェスティバルを開催
 
 昭和20年代、我々が小学生のころは、山の南側に小さな池があって、春には、オタマジャクシが溢れかえり、山にはカエルとカエルをえさとする、ヘビが豊富だった。
 捕まえた蛇をさおにぶら下げて家路につくと、途中で「売ってくれ」という人が現れたことを覚えている。
 ところが、今は池も無くなり、蛇、カエルも消えてしまったが、77,000㎡の山内の林と野草は健在である。
イメージ 6イメージ 5ムサシノキスゲの案内板      浅間山(79.8mt)頂上、右手の石は三角点
 
イメージ 8イメージ 7 一面に咲き乱れるムサシノキスゲ         ムサシノキスゲ
 
 1970年ごろから、浅間山は荒れほうだいとなり、ムサシノキスゲも絶滅の危機に瀕していた。この惨状を見かねた、地元の人々が立ち上がり1982年、浅間山自然保護会が結成された。以後30年に亘る、保護会の皆さんの丹精によって、今では浅間山は自然のままの姿を保ちながら、見事に保護、整備されている。
そして、永年の自然保護活動の功績が認められて、去年保護会は「緑綬褒章」受勲の栄に浴している。政府もボランティア活動家に粋な計らいをしてくれたものである。
イメージ 10イメージ 9昼間のムサシノキスゲ          夜間、キスゲの花弁はこの程度閉じる
 
 浅間山はムサシノキスゲの外に、ギンラン、キンラン、ヤマユリ、スミレ、ホタルブクロ等々の野草の花が訪れる人々をいやしてくれる。
 また、山頂からの富士山の眺望が良いと、国土交通省の「関東富士見百景」にも選ばれている。また冬至の一か月前と一か月後、山頂から「ダイヤモンド富士」が拝めることも発見された。
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イメージ 12 園内に咲く、紫蘭(しらん)       にせアカシアの花も咲く
 
 今では、地元の幼稚園、小学校の児童たちがピクニックに訪れる、都立公園に変貌を遂げたが、武蔵野の手つかずの自然がそのまま残るこの山は、府中の貴重な「自然遺産」なのである。
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イメージ 4 浅間山自然保護会山田会長と筆者       会長撮影の浅間山、春の花々 
 贅沢にも、私はこのような山で森林浴をしながら、毎朝散歩しているのである。
 今月28日は、浅間山の全山清掃日にあたる。私もお手伝いに行こうと思っている。
(終り)

アメリカ小話
 

釣り人はほら吹き

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まえがき】
 アメリカにプロ・バス・ショップと言う、野外スポーツ専門の大型チェーン店がある。店の入り口にこんな看板が掛かっている。
ハンター、釣り人とほらふき、大歓迎!
 お客さんは看板を見て、呵呵大笑して入店して行く。大らかなものである。
 
 
 皆さんご存じの通り、釣り人は皆大ほら吹きである。
良い例が聖ピーターである。
 
 彼も漁師だったが、「君はイエスの友人か」と訊かれたとき、
三度も「そんな人は知らない」とうそをついたのは有名な話である。
 
 ところで、或る釣り人が友人たちに、12キロの大魚を釣り上げた
と自慢した挙句、
「驚いたことに、その魚は口をきいたんだよ」と言った。
 
本当に、魚は俺にこう言ったんだ。
「海に戻してくれたら、あんたに三つの願いを叶えて上げよう」
 
そこで俺は言った。
「五つの願いを叶えてくれなければ、海には戻さない」とね。
魚は「ダメだ、三つしか叶えてやれない」と言った。
 
「OK,あんたと俺の中間をとって、4つの願いを叶えてくれよ」と釣り人が言った。
魚は三つしか叶えられない、と繰り返した。
 
そこで、仕方なく三つの願いで手を打った。
 
俺は「若返らせてくれること、ハンサムにしてくれること、大金持ちにしてくれること」の三つの願いを注文した。
 
友人たちが、訊いた。「それで、どうなった?」
 
 釣り人は悔しそうに言った。
「願いは叶わなかったよ。交渉がまとまったとき、魚はもう死んでいたんだ。
五つだ、四つだ、最後は三つだとか、粘り過ぎたのが失敗だった。
魚は陸に上がったら、そんなに長い間生きていられないんだよ」
(終り)

【東京発】これぞ将に商人魂!

 仮設「セブン イレブン」営業中
 
 

 
 
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 宮城県南三陸町の被災地に仮設のコンベニエンス・ストアが店を開いている。
 かつてあった店舗は津波で全壊したため周囲にガレキが残るなか、同じ敷地内にテーブルとテントを使って出店、食料品や雑貨を中心に約120点を冷蔵庫機能がついたトラックで運搬し、販売している。
 営業時間は午前11時から午後4時までで、この日もひっきりなしに客が訪れていた。
 
(記事と写真:産経新聞、513日東京版による。松本健吾撮影)

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