アメリカ便り

アメリカ便り Letters from the Americas 様々なアメリカ&メキシコ事情と両国の小話

2014年08月

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     朝日新聞の大誤報。続編
 
 下記の記事は産経新聞830日付けの花田紀凱の「週刊誌ウオッチング」である。
いわば先週お届けした、「朝日の大誤報」の続編であり、写真は朝日新聞が広告掲載を拒否した、週刊文春、週刊新潮の94日号のトップ記事である。
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                                                         週刊文春のトップ記事
 
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                                                     週刊新潮のトップ記事
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                             「ハネムーン」
 
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                               imagenes.4ever.eu
ハネムーン5日目、新妻はようやく母親の言いつけを思い出して、実家へ電話を入れた。
母親は「どううまく行ってる、新婚旅行は?」と訊いた。
 
「ワンダフルの一語よ」と娘は陽気に返答した。
「だけど、一つだけ訊きたいことがあるの、ママ」と娘は言った。
 
「何なの、言ってごらんなさい」と少々心配になった母親は訊いた。
 
娘は声を落として、
「ママ、男の人って一体いつ眠るの?」と訊いた。
 
お後がよろしいようで……

朝日新聞は鬼の居ぬ間に洗濯と、週刊誌の夏休み中に「慰安婦記事の誤報訂正を発表した。花田紀凱の週刊誌ウオッチングを掲載します。
写真は「朝日の誤報」を報じる、週刊新潮828日秋風増大号。
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                  ナンバンギセル咲く浅間山
 
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                     都立浅間山公園で見た、珍しい「ナンバンギセル」
 早朝、都立浅間山公園を散歩していると、自然保護会の山田会長が何やら写真を撮っていた。挨拶すると、珍しい花があるから「入っていらっしゃい」と言って、柵の中に入ることができた。そこで撮ったのがこの写真である。
 これは「ナンバンギセル(南蛮煙管)」の名で知られる、「ハマウツボ科ナンバンギセル属」の一年草で、ごらんのとおり葉がなく、ススキやミョウガなどの根に寄生して養分をとるという珍しい植物である。丈は10センチに満たず、花期は89月で今が見ごろだが、小さいのでなかなか発見できない。
 
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ナンバンギセルの花
花の名前は、167世紀来日した南蛮人の宣教師、商人たちが使ったキセルに似ているところから命名されたと言う。別名「オモイ草(思い草)」とも呼ばれる。
なお、たばこは、種子島へ鉄砲を伝えた南蛮人たちによって、天文12年(1543 年)頃、持ち込まれたと伝えられている。九州平戸には、「慶長6年(1601年)たばこ種子渡来の地」の石碑が立っている。
 
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 16世紀ごろ欧州で使われた陶器製のパイプ(articulo.mercadolibre.com.ar
写真のパイプは当時の陶器製のパイプであり、英語でClay pipe,スペイン語ではPipa de ceramicaと呼ばれていた。なるほど、この花がナンバンギセルとは言い得て妙である。
 
 さて、ナンバンギセルは去年、山田会長が草刈中に偶然見つけたものなので、一昨年刊行された、浅間山自然保護会発行の花のカタログ「浅間山四季彩々」にはまだ収録されていない。
私がナンバンギセルを拝めたのは、将に「早起きは三文の徳」だった、という訳である。
(終り)
 

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アルゼンチン歌手「松尾芭蕉」を歌う 
 
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平泉・中尊寺に立つ松尾芭蕉像(bashouan.com
 8月初頭、大学時代の友人・辻君のお供をして、元駐スペイン大使・林屋永吉氏宅にお邪魔した。戦争中スペインの名門・サラマンカ大学言語学科に学んだ林屋大使は、本職の外交官としては昭和天皇の通訳を初めとして、「外務省に林屋あり」と一目置かれる存在である。また日本コロンブス協会会長の同氏は、コロンブスの全航海日誌の翻訳者、研究者としてもつとに有名である。
 
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             奥の細道スペイン語版(Sendas de Oku1957年メキシコ国立大学が初版本出版 
 そして、HAYASHIYAの名が歴史に残る畢生の大事業は、ノーベル文学賞のメキシコ詩人オクタビオ・パスと共訳した、芭蕉の「奥の細道」のスペイン語版「Sendas de Oku」がある。難解をもって知られるパスの詩に悪戦苦闘した覚えがある私には、パスと「奥の細道」を共訳したと言う一事だけで、大使は私にとって最敬礼したくなるような存在である。 
そこで私は大使にお会いする前に、Sendas de Oku(奥の細道)をネットで予習したのである。
 
 すると驚いたことに、Matsuo Bashoを題材にした、アルゼンチン人・トミー・レブレーロ作詞作曲のロック風の歌に出会ったのである。YouTubeで歌を聞き、歌詞も読んで見た。地球の裏側のアルゼンチンのロック歌手が信じ難いことだが、芭蕉の精神をしっかり理解して作詞しているのである。
これは作詞作曲をした、レブレーロがパス、林屋両氏の労作「Sendas de Oku-奥の細道」に触発されて作詞したに違いない。更に調べると、レブレーロは何と「新観世音‐Nueva Kan ze on」と題するアルバムもリリースしている。どうも彼は相当な「日本大好き外国人」らしい。
 そこで大使をご自宅にお訪ねした際、レブレーロの「Matsuo Basho」を聞いていただいた。大使は「アルゼンチンで芭蕉が歌になるとは感無量」と言って大変喜んでくださった。
ところで、耳が少しご不自由な95歳翁の大使を助けて、老いてなおお美しい夫人が通訳を買って出てくださったことも特筆しておきたい。
 
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       2011年来日公演を行った、トミー・レブレーロ(twitter
さてトミー・レブレーロはアルゼンチン生まれのロック・ミュージックのシンガー・ソングライター、ギター、バンドネオン奏者として世界的に活躍、201112年には来日公演を行い、観世音菩薩(Nueva Kan ze on,詐欺(Fraude)その他のアルバムを出している。「松尾芭蕉」は「Osaka」とともに、アルバム・詐欺に収められており、日本では大洋レコードが発行元である。
では、レブレーロ自身が歌う、「Matsuo Basho」をお聴きください。下記に掲載した邦訳歌詞を読みながら聞いていただくと、芭蕉がアルゼンチン人にどう映ったかが見えてきて興味深いと思う。
 
 
Matsuo Basho 
作詞作曲、トミー・レブレーロ(アルゼンチン)
翻訳:富田眞三
松尾芭蕉、Matsuo Basho, Matsuo Bashoo
旅装束のあなたは日本中を旅して歩く
今朝、僕は精神の細道を行く、旅人芭蕉に想いを馳せて目を覚ました
あなたは道教の隠者で儒者、
否、禅の修行を積んだ武士が相応しい
東洋哲学に通じたあなたは、俳句は自然の美や知的遊びを探求するものではない、と気が付いた
そこであなたはより大事なものを探す旅に出た
日常のことごと、身近なことごとを探し求めて
 
松尾芭蕉、Matsuo Basho, Matsuo Bashoo
松尾は生活、寒さ、飢えと係りのない句は正真正銘の句ではないと知っていた
そこで旅に出た…
自然から学ぶために奥の細道を歩いて、
事実、松尾は体験したことを詠み、詠んだことを体験した
旅する俳人、松尾芭蕉は虚栄心を捨て、自分の姿勢を変えようと試みた
多くの俳人が詠む、大げさな表現は真の句ではない、
と芭蕉は表現するに至った
こういう松尾が、僕は大好きである!
松尾芭蕉、Matsuo Bashoo
(歌詞は大洋レコード版、TOMI LEBRERO “ FRAUDE y PUCHERO MISTERIOSO” による)
 
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林屋大使宅で、左から筆者、林屋大使と辻良二氏
 皆さんはどうお聴きになりましたか?ロックミュージックらしからぬ固い歌詞には驚きだが、日本人としては、私は芭蕉と奥の細道のスペイン語訳の難事業を成し遂げた、林屋大使を誇らしく思う。我々がタンゴを歌い、アルゼンチン人が芭蕉を歌う。これこそ国際文化交流の醍醐味だろう。という訳でトミー・レブレーロの「Matsuo Basho」をお聴きいただきました。 
(終り)
 

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