アメリカ便り

アメリカ便り Letters from the Americas 様々なアメリカ&メキシコ事情と両国の小話

2018年07月

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                       おしゃぶり
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写真:(www.apr.org.com)
ボブとジョンのゲイ同士夫婦が赤ん坊を作ろうと決心した。
彼らは二人の精液を混ぜ合せて、代理母に人工受精を施した。
 
赤ん坊が生まれると、二人は産院へ飛んで行った。
産室には二ダースの赤ん坊がいた。
23人の赤ん坊は泣き叫んでいたが、独りだけニコニコしている赤ん坊がいた。
看護師さんが二人に近付き、笑っている赤ん坊が彼らのボーイだと、教えてくれた。
 
ボブは「素晴らしい。可哀そうに全員泣き叫んでいるのに、我々の赤ん坊だけは、幸せそうだぜ」と叫んだ。
 
すると看護師は、「今は幸せだけれど、お尻からおしゃぶりを取ると、どうなるかしら...」と言った。
 
お後がよろしいようで……。

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暑気払い小話大会 2

                     哲学者の妻 
 
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写真:(www.emedemujer.com)
 哲学者が帰宅すると、妻は見知らぬ男とベッドを共にしていた。
「何やってるんだ、お前は?」と教授は怒り心頭に発して、妻を怒鳴りつけた。
 
すると、細君は愛人に向かって、軽蔑しきったという口調で、
「見てちょうだい、これが私の夫よ。哲学者が聞いてあきれるわ。
なんて馬鹿げた質問するんでしょう。見りゃ分かるでしょ!」
と言った。
 
 お後がよろしいようで……。

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                 暑気払い小話大会 1
  女子会の夜は更けて…
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写真:(www.studybreaks.magazine.com)
 一夜、親しい友人たちとの女子会に参加した私は、夫に遅くとも12時には帰宅すると約束して家を出た。
 
 お気に入りのマルガリータを飲みながら、友達たちとの積もる話に時の経つのも忘れ、はっと気が付くともう午前2時を廻っていた。
 
 家のドアを開けると、丁度居間の鳩時計が三時を告げ始めていた。夫は多分目を覚ますだろうと思って、とっさに私は「ポッポー」の鳴き声を9回口真似したのである。
ポッポー3回+ポッポー9回=12ポッポーで真夜中の12時になるじゃないの。
私は機転を利かした自分の対応で、夫との口論が避けられるだろう、と我ながら満足していた。
 
 翌朝、夫は「昨夜は何時のご帰還だったんだい」と訊いてきた。
 
私は、「丁度12時だったわ」と答えた。
夫は「そうかい」と言って、何の疑問も示さなかったので、
私は「やった!上手く誤魔化せちゃったぁー」と快哉を叫んだのだった。
 
 やがて、朝食後のコーヒーを飲みながら、突然夫は「鳩時計を買い替えなきゃいかんな」と言い出した。
 
私が「どうして?」と訊くと、夫は「昨夜鳩時計は3回ポッポーと鳴った後、『あっ、そうだ』とか言って、その後4回ポッポーと鳴いたんだな。そして、のどを湿らせたかして、更に3回ポッポーと鳴き、クスクス笑った後、2回ポッポーと鳴いて鳩時計は沈黙したんだよ」。
と言って、夫は少し間を置いた。
 
「と思ったら、今度はコーヒー・テーブルにつまずいて、おならをプーとかましたんだよ、鳩時計が…」と夫は私を見ながら澄まして答えた。
 
 お後がよろしいようで……。

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            舌戦中断いつまで続く?

メキシコ次期大統領とトランプ大統領

 
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                                        写真:(www.sinembargo.mx/)
 71日メキシコの大統領選挙で2014年結成のMORENA(国家再生運動党)党首のロペス・オブラドール氏が53.19%の得票率で、二位のPAN党候補者・アヤラ氏の22.28%、三位のPRI党候補者・メアデ氏の16.41%を引き離す圧倒的な勝利を収めた。
 選挙前からAMLO(ロペス・オブラドール氏の通称)優勢との予想だったが、同氏の急進的左翼思想、国家統制主義政策及び反米的態度に、メキシコ財界、保守層はもとより、国際社会も同氏の勝利は、「2018年の世界が直面する10大リスク」のNo.4であると警戒心を抱いていた。それが現実のものとなった。
 
 さて、トランプ大統領にとってAMLOの辛抱強さと大胆さは、彼が重要視するリーダーとしての特性である。この難しい時期に国民からメキシコの舵取りを任されたAMLOの当選は、メキシコにとって米国との関係をリセットする好機になるかも知れない。
ドナルド・トランプの隣国大統領の歴史的勝利への祝意のツイートに見える、トーンの変化と翌日のメキシコ次期大統領と米国大統領の発言を読むと、厳しい対立関係が一時的に中断した感がある。
 
 AMLO,即ちアンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドールが三回目の挑戦で栄冠を得た、辛抱強さと豪胆さは、トランプにも通じる特性と言える。トランプにはAMLOは力強く、正真正銘のリーダーに見えたに違いない。同時に相性も良いと思ったようである。
AMLOはトランプより高い得票率を稼ぎ出し、AMLOが率いるMORENA(国家再生運動党)は全国で圧勝し、70年間メキシコを統治したPRI党(制度的革命党)に毀滅的打撃を与えた。AMLOはトランプが出来なかった偉業を成し遂げたのである。即ち一つの政治運動を投票箱での勝利政党へと変貌させた。これは尊敬と羨望に値する、壮観なる大成功と言える。
 
 トランプの意のままにならないことの一つに、共和党内の分裂騒ぎと闘わねばならないことがある。トランプはどれほど「彼自身のMORENA」があったならば、と思うことだろう。
とにかく、トランプにとってAMLOはペーニャ・ニエット現メキシコ大統領とは正反対な人物である。
 

 二年前の9月、メキシコ大統領のペーニャ・ニエットが当時、米国大統領選候補者に過ぎなかった、トランプをロス・ピーノス(大統領公邸)に賓客扱いで招待したことが、トランプに対する「ケチ」のつき始めだった。ロス・ピーノスでトランプはトランプ・ショーを繰り広げ、メキシコ大統領に「米墨国境に壁を建設し、費用をメキシコに払わせる」と主張したのである。これ以来、トランプ候補は不人気かつ能力を疑問視された、隣国の大統領に屈辱を与え続け、メキシコ国民もペーニャを見限ったのである。

 
トランプは弱者を軽蔑し、自身が強者と認めた者だけを重んじる。従って、彼は金正恩やプーチンには、敵ながら天晴れと言う評価を与えている。彼は初対面でもその人物が自分と同等の人物かどうかを見分けることが出来る、とよく自慢する。どうもフィーリングの問題らしい。例えば、トランプにとって安倍総理は「強者」であり友人でもあるが、ドイツのメルケル、カナダのトルドー、フランスのマクロンたちは「弱者」なのである。目下のところ、AMLOは強者と見られている。
 
日本同様、フェイク・メディアの多い米国のメディアは、トランプとAMLOの低俗な比較を行って悦にいっている。例えば、「メキシコはドナルドを自家薬籠中のものと出来るか?(ニューヨーク・タイムズ、6/29/2018)」。

「メキシコの最有力大統領候補は、トランプそっくりだ。(ワシントン・ポスト6/17/2018)」。

「メキシコのトランプ的ポピュリスト(ポリティコ 7/1/2018)」等々である。
 
トランプはAMLOについてマスコミにこう語っている。「よく考えてみると、AMLOは私に似たところがある。彼はメキシコの特権階級をあわてさせ、大統領選挙に大波乱を巻き起こした。そして彼はポピュリスト、対決主義者であり、私がワシントン政界のドブさらいをしたように、彼はメキシコの権力マフィアに痛烈な打撃を与えた」。
 
 だが、彼はトランプとは全く違う世界の住人である。AMLOは骨の折れる左翼政界に於いて、体を張って道を切り開いて、漸く今の地位に到着出来た。
一方、トランプは億万長者の家に生まれ、父から受け継いだ、一流企業の豪奢なオフィスからスタートしている。
 
そして、AMLOことロペス・オブラドールにとって、「勝利とは敗北の中から学ぶものであり、トランプにとっては「勝利とは生れつきの特権なのである」。
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写真:(www.laorquesta.mx/eleccion2018/)
昨年の春のトランプとAMLOの最初の話合いは、かの悪名高いペーニャ・ニエット現メキシコ大統領との会談とは対照的だった。トランプによると、両人は国境、通商、NAFTA及び両国間の通商協定について語り合った。

そして、“将来の隣国大統領”と良い関係が持てそうとの予感を持った、と言う。敵意、脅迫の気配はなく、他国干渉もなかった。

トランプは今回のAMLOの選挙は素晴らしいもので、彼が予想していた以上の大差の勝利だった、と付け加えた。
 
 続いて、彼は記者たちにウインクした後、数年前のメキシコの別の選挙の際(当時両人が会った、という報道はない)、AMLOに「君はメキシコの大統領になるだろう」と告げた、と話した。そして後年、このことをAMLOに話したところ、彼は「その通りだった」と告げた、とも話した。だが、AMLOはこの話が事実だった、と裏付けてはいない。
 
 トランプの補佐官、部下たちが、AMLOの如き反米主義者がメキシコのリーダーになることの危険性をあらゆる機会に指摘していたにも関わらず、今になってトランプが誰よりも先にAMLOが大統領になるだろうと予言していた、ということは滑稽ですらある。
 
 さて、「この両者間の脆いと言うかご祝儀的舌戦の一時中断」が何時まで続くかは、目下開催が準備されつつある、両者の会談によって明らかになるだろう。両国の通商、移民、国境の安全保障問題等に於ける、意見の隔たりは、余りにも多すぎる。そんなに簡単に、ましてやその全部が解決するとは考えられない。
 

 二人の会談に際して、トランプは先ず手始めに「米国南部の米墨国境地帯の国境警備に関して、メキシコに米国の片腕となって欲しい」と要望すると見られている。この要求はAMLOにとって受け入れられないどころか、断固として拒否すべきことである。このトランプの考えは、米墨国境を越境する大部分の不法入国者は、メキシコ国内を通過して来る、グアテマラ等の中米諸国民である事実に基づいている、と思われる。

それにも関わらず、トランプは国境の壁建設費をメキシコに払わせる、と請求し続けるだろう。とにかく、この公約によってトランプは大統領選に勝利した、と言っても過言ではない、本質的な彼の政策なのである。AMLOはいかなる外国政府もメキシコをピニャタ*のように扱うことを許さない。そして必要とあらば、国益を守るために、トランプと対決することも辞さない、と言い続けて来た。両者の敵対関係が永続するかどうかは、AMLOよりはトランプの態度次第なのである。
 
 AMLO-トランプ会談が実現するとき、次期大統領の外交問題チームが明確な対米交渉プランを持つことが肝要である。次期外務大臣に、マルセロ・エブラールが就任することは、良い兆候である。現政権のヴィダガライ外務大臣が犯した、大きな誤りである、順応性があり過ぎた、米国の奴隷状態だった対米外交を正すには、エブラールが適任だろう。
 エブラールはコレヒオ・デ・メヒコ大学院で会得した国際協調主義と長い政治経験を調和させて、対米交渉に当たるだろう。彼はメキシコ・シティー市長(AMLOの後任だった)時代、トランプの盟友である、元ニューヨーク市長・ジュリアーニをメキシコ・シティの治安問題の顧問に任命した縁がある。エブラールは、神経衰弱症気味のトランプの「いなし方」を心得ているだろう。
 
 最近数代のPRIPAN(国民活動党)による政権時代、メキシコの国際的イメージは地に落ちた。メキシコは政治の腐敗、政府高官の刑罰免除制度(immunity,麻薬組織の肥大化、殺人、行方不明者の増大、報道の検閲等が同国の世界に与えている負のイメージである。メキシコに対する現在の国際的評価は、同国には相応しくないが、残念ながらこれら全ての分野でメキシコは落第である。
 
 AMLOことアンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドールの大統領選出は、メキシコを、筆者がメキシコに渡った数十年前の姿に戻す可能性を持っている。
しかも形だけではなく、本質的にメキシコの否定的認識を元に戻す可能性がある。70年間に亘る、PRI党(制度的革命党)による政治形態、即ち特権的革命家族による、同族会社的国家経営方式の転覆は、地球上の隅から隅までに歓迎されている。
AMLOの選出が吉と出るか、凶と出るか、見守ることにしよう。(終わり)

参考資料SinEmbargo  Cuanto durara latregua?  Por Dolia Estevez 

*ピニャタ:素焼きの壺に菓子や果物、おもちゃ等を入れ、外側に色紙を使って壺に貼り付け、動物や人などの形に作り上げる。主に子供のパーティーで、これを目隠しした子供が一人づつ順番に棒で叩いて、壺が割れるまで続けるメキシコの伝統的遊び。割れると、みんなが大騒ぎをして菓子等を拾う、子供のパーティーの定番。二年前の米大統領選の時期、メキシコ、米国でトランプをかたどったピニャタがバカ売れして話題になった。

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                 半端ない祖国愛…
 
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                                  写真:(www.bricksjournal.com)
男は全てのアルゼンチン人と同様に祖国のサッカー代表チームを愛していた。
そして全ての善良なアルゼンチン人同様にブラジル代表チームを憎悪していた。
 
 ある日突然、男は医師から不治の病に侵されていることを告げられた。
医師は冷酷にも現在の医学では全治不能だと宣告したのだった。
 
 そして、数日後男は死の床にあった。枕元にいる神父様が男に、
「息子よ、お前の最後の望みを言ってごらん」と訊いた。
 
 男は苦痛をこらえながらもはっきり答えた。
「ブラジルのユニフォームを着て死んで行きたい」と。
 
 それを聞いて、細君はじめ家族、友人の面々はびっくり仰天した。
細君は亭主の望みを聞くと混乱して、
「あなた、ブラジルのユニフォームって言った? あなたはずーっとブラジルを憎んでいたじゃないの。それなのに黄色と緑のユニフォームを着て死にたい、って言うの。何故なの?」とたずねた。
 
「何故なら、死んで欲しいのはブラジル・ファンで、アルゼンチン・ファンじゃないからだ」と答えた。
 
 お後がよろしいようで……。

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