アメリカ便り

アメリカ便り Letters from the Americas 様々なアメリカ&メキシコ事情と両国の小話

2020年11月

モンロー印 - コピー
アメリカ小話

砂漠,ラクダ、美女たち
0001.britannica

                写真:(www.britannica.com)
【蛇足的まえがき】
 この小話の舞台は砂漠である。加藤まさを作詞の童謡「月の砂漠」はこう歌っている。
月の砂漠をはるばると  旅のラクダが行きました
金と銀との鞍おいて  二人並んで行きました

 長い間、この名曲の金と銀の鞍を「金と銀の砂漠」だとばかり思い込んでいた。
アメリカのアリゾナ州カレキシコ市近辺に文字通りの「金の砂漠」がある。テキサスからカリフォルニアに通じる州際フリーウエイ10号線は、その金の砂漠(ソノラ砂漠)の真ん中を横断する。陽に輝く砂丘の美しさは感動的だった。おまけに、金の砂漠の西北方のニューメキシコ州には、「銀の砂漠」を思わす、国立公園「ホワイトサンズー白い砂」が広がっている。この砂漠は実際に息子と孫とともに歩いたので、記憶は鮮明である。

 さて、アメリカ小話はこのように広大な舞台で映画のようなストーリーが展開する傾向がある。一方、メキシコ小話はせまい寝室が舞台になることが多い。しかも間男は更にせまいクローゼットに隠れるのが定番である。将に今流行の三密ならぬ密閉の世界である。
ラクダにまたがって砂漠を旅する「男」は、散々な苦労の末、砂漠旅の終わりにお誂え向きと言った感じで遭遇した、美女らの車を修理して感謝されるのである。
 美女らに「ありがとう、ミスター!我々は修理の恩返しに何でもしますわ。言ってちょうだい」と言われた「男」は…。 
蛇足ですが、小話の舞台の砂漠はアフリカか中近東で、米国ではないことを付け加えておきます。アメリカにはラクダはいませんからね。(テキサス無宿記)

一笑一若・アメリカ小話 「砂漠、ラクダ、美女たち」
1.pexels.com

                写真:(www.pexels.com)
ラクダにまたがって砂漠を旅する男がいた。
長い間一人で旅していると、何ともはや性的欲望が高まってきてイラついてくる。当然のことながら砂漠には女はいない。

そこで男はラクダに目をつけた。
男はラクダで間に合わせようと挑んだが、ラクダは男を拒否して蹴飛ばし逃げて仕舞った。

 男は砂に足を取られて転びながらラクダを散々追い回した挙句、捕まえると、再びラクダにまたがって旅を続けたのだった。

 その後、再び性的欲望が高まって我慢が出来なくなり、再度挑んだが、ラクダは男を拒否して蹴飛ばし逃げて仕舞った。
 男は砂に足を取られて転びながらラクダを散々追い回した挙句、捕まえると、再びラクダにまたがって旅を続けたのだった。
男の三度目の挑戦も同じ結果だった。

 そしてやっとのことで道なき砂漠を横断し終わると、文明世界の道路に行き着いた。
すこし歩くと、粗末な小屋の前に白いランドローバーが駐車していた。
車中には三人のグラマーな白人女性が途方に暮れて座っていた。

 男は近寄ると、「どうしました?お役に立つことがありますか?」と訊いた。
ロングドレスの金髪美女が車から降りると、「車が故障して動かないのよ。あなたの望むことは何でもするから、車を直して頂戴。お願い!」と男に懇願した。

 男は幸運にも車に詳しかったので、あっという間にエンジンがかかった。

修理し終わると、三人の娘たちは異口同音に、「ありがとう!ミスター、我々は修理の恩返しにあなたに何でもしますわ。遠慮なく言ってちょだい!」と迫ってきた。

しばらく考えた末、「ラクダが逃げないように三人で抑えていて欲しいんだが…」。
と男は頼んだ。

お後がよろしいようで……。

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「盗まれた米大統領選?」

 

001.federalist

  写真:(www.federalist.com)

【蛇足的まえがき】

  日本の選挙投票は手書きのアナログだが、米国は投票をコンピューターの端末で行う。票の集計もコンピューターで米政府公認の特別のソフトウェアを使って行われる。そこでこのソフトウエアがコンピュータウイリスに侵される可能性がある、または意識的にある候補者の票を別の候補者に差し替えることも出来得る。今回の米大統領選はこのことが争われている。

 今回はスペイン、米国の有力シンクタンクの特別会員である、ソーレン・カーン氏(Soeren Kern)のレポート「盗まれた米大統領選?」を中心にお伝えしたい。

同氏はアメリカ人だが、マドリード在住のため、共和、民主両党を距離をおいて観察するので、どちらにも偏らない視点が気に入っている。日本のマスコミが伝えない、米国政治の一面をご覧頂きたい。(テキサス無宿記)

 

アメリカ便り「盗まれた米大統領選?」

 米大統領選から3週間経った。公式の選挙結果が出ていないにも関わらず、米国の主流メディアはバイデン候補の勝利を既成事実として報道している。ニューヨーク・タイムズ紙に至っては一面トップで「全国の選挙関係公務員たちは選挙違反はなかったと言明した」と報じたが、果たしてそうだろうか?

 

003.ABCnews

    写真:(www.fox5dc.com)

118日、バー連邦司法長官は、今回の選挙において、不規則な行為があったと申し立てられた件への捜査を承認した。なお、ドナルド・トランプは大統領選において、34州で選挙が盗まれたとして、米選挙での敗北を未だに認めていない。

今回、司法長官は連邦政府の方針を転換して、投票結果の集計が完了していない段階で、検察官に選挙における不規則行為の捜査を命じたことになる。

バーは連邦検察官たちに、担当地域における、選挙と票の集計システムに不規則行為があったかどうかを、各州の選挙人が1214日に「選挙人認定証書」を副大統領に送付する前に捜査することを承認する、との書面を送り、次のような所信を述べた。

 「この種の捜査は通常、明白で疑いのない、信用できる疑惑がある場合に実行に移されるが、もし疑惑が実証されれば、個々の州で実施された連邦選挙の結果に甚大な影響を与える。

このような捜査は各州の司法権に属するものであり、司法省の方針ではこの様な状態での連邦検察の介入は、投票集計が承認され、票の数え直しが決着して、勝敗が決定するまで控えるのが普通である。

しかし、法の実行は時には臨機応変に行う必要がある。そして、もし捜査の結果、勝敗の帰趨がくつがえる『何か』が発見されたならば、検察官はそれを追及すべきである。また、十分な証拠のない申し立ては細心の注意をもって取り扱うべきであると同時に、もっともらしい、憶測による、非現実的、或いはこじつけとしか思えない申し立ては、連邦捜査を始めるための根拠であってはならない」と書面を結んでいる。

 

 ウイリアム・バー司法長官は控えめというか、中立的立場ながら、トランプ陣営からの申し立てを認め、連邦検察にこの件の捜査を命じた意味は大きい。米国の主流メディアが報道する、選挙の集計に不正があった、とするトランプ側の申し立ては根拠がない、との主張の信頼性に疑問符がついた格好になった。

 

 先週末(1114日)、ワシントンDCで大集会を開催した膨大なトランプ大統領支持者たちについての主流メディアの記事を読むと、彼らは理論的に混乱した、徒党を組んだ田舎者の集まりであり、軽蔑すべき集団ヒステリーだと見下すような批判を浴びせかけている。彼らは思い込みの激しい極右過激論者であり、全員が今回の選挙は「盗まれた」と思い込むように騙されている、とも報道されている。だが、果たしてそうだろうか?

 

先週実施された、2020の選挙に関する世論調査で、実に共和党支持者の70%が大統領選挙は自由かつ公正なものではなかったと信じている、という結果が出たが、その直後にこの大行進は行われた。

 

RealClearPolitics-RCPという、米国の政治に関する世論調査を連日くまなく掲載する、政治的に中立で信頼できる、政治ニュースサイトがある。何しろアメリカ人は世論調査が好きなものだから、多い日には10本もの調査結果が掲載される。その他にも政治関係の評論が掲載される。今回、ソーレン・カーン氏の「盗まれた米大統領選?」という評論が載ったが、主流メディアとは別の視点から選挙を見て、何故盗まれた、と断定できるのかを数人の証人に語らせている。そこで、下記にその一部をご紹介したい。

 

「盗まれた米大統領選?」の根拠

 シドニー・パウエル、トランプ氏の法律顧問、元連邦検事の証言  

「我々は多数の州で選挙の結果を覆そうと決意している。トランプ大統領は、その目的のために特別に設計された、ソフト・ウェアによって票が入れ替えられていなかったらば、10万台の票どころか100万票以上の差で勝利していた。我々は宣誓した上での目撃者の証言、即ち、そのソフト・ウェアは選挙で不正を行うために設計されている、を得ている。

問題はソフト・ウェアである。そのマニュアルには如何にして、票を消せるか、またトランプ氏の票をドラッグ&ドロップして別のホールダーに入れた後削除する方法が記されている。

 このソフトはフラッシュ・メモリーに移行して持ち運びが出来るので、ドイツ、ヴェネズエラからでも上記の操作が出来る。遠隔地からもレアルタイムで投票結果をチェックでき、票の移し変えもできる。我々は数学的に彼らが使うアルゴリズムを特定した結果、彼らは当初から、バイデンの勝利を確実にするために票の移し変えを行うことを計画したことを知ったのである」。

 

 ルディー・ジュリアーニ、元ニューヨーク市長、トランプ氏の顧問弁護士の証言

彼らが使用するソフトウェアはスマートマティック(Smartmatic)社によって作成された。この会社はヴェネズエラの故ウーゴ・チャヴェス大統領が創立した会社であり、現在は彼の二人の協力者が所有している。このソフトウェアは南米において選挙詐欺を行うために使用された。米国でこのソフトは凡そ10年前から使用禁止になっている。現在、スマートマティック社は他の会社の下請けに成りすまして米国へ戻っている。

ジュリアーニ氏は続ける。「最後に、もしあなたが投票問題に真剣に取り組もうと欲するならば、ペンシルベニア州の例を取り上げよう。

我々は632,000票の不正投票を確認した。スマートマティック無しならば、大統領は30万票の差で勝っているのだ」。

 

  ジェナ・エリス:トランプ選挙運動本部・弁護士の証言

  我々はおそらくトランプ大統領への票だったと思われる、270万票がすべて削除されたのを目撃している。彼らの投票集計システムは使用者がログインすれば、投票されて来る票が誰への票か分かるようになっている。

もしそれがトランプへの票ならば、彼らは手動でバイデン票に変更できる。もしそれがバイデン票ならば、倍増することが出来る。驚くべきことに、一人の有権者に一票どころか、バイデンに6票投票させることも可能である。

これらの全ての投票に関する、彼らのソフトウエアは、何がどうあっても検察による科学的捜査が必要である、と思う。

 

 アレックス・ハルダーマン:ミシガン大学コンピューター工学学部教授の証言

 10年前、私は電子・ダイレクト投票記録装置(DRE)の最初の学術的セキュリティ解析処理チームの一員だった。我々はその時期、最も広く使用されていた、タッチスクリーン式のDREを検査し、数か月を費やして安全性の脆弱性の度合いについて、厳密な調査を施した。我々が発見したことは、ソフトウエアを使用して特定の候補を、誰にも気付かれずに勝たせるように出来るという、プログラムを作り直すことが出来るという、不安材料だった。

 我々は悪意あるソフトウエア即ち、コンピューター・ウイリスのようにコンピューターからコンピューターへ伝播して黙々と選挙の結果を変えることが出来る、「票を盗むコード」を再プログラムすることが出来たのである。 

 

 ニューヨーク・タイムズ紙 20061029日付け

 スマートマティック社のオーナー達とヴェネズエラのチャベス政権との密かな繋がり2004年に行われた、キューバのフィデル・カストロの盟友だった、チャベスのリコール選挙で表向20%近い差で勝った時以前から、米国の外交専門家の間では周知の事実だった。

 

002.georgia-voters machine studentnews.daily

   写真:(www.iwvcga.org

 さて、目下米国では2020大統領選に「不正があった、なかった」の報道があふれ返っている。「あった派」の申し立ての理由には、悪用されたソフトウエアによって投票が盗まれた、死者による投票があった、郵送された投票のサインが選挙人台帳のサインと一致しない件があった、等である。米国では投票は手書きではなく、PC画面で行われ、票の集計も投票集計機によって行われている。

 いくつかの州の告発者は投票過程において、犯罪行為があった、と宣誓供述書に署名した人々がいる。そして、トランプ大統領の弁護士たちは、数州において20以上の訴訟を起こすとともに、他の州では投票の再集計を求めた。

これを受けて、バー司法長官は連邦検事に捜査の開始を要請したことは、既に書いた。

 

 これらの訴訟の中で、間違いなく最もデリケートな案件は、コロラド州にあるドミニオン投票システム社が製作した、「投票集計機」に関するものである。この機器は申し立てによると、真偽は別として、トランプに投票された数十万の票がバイデンに付け替えられた、とされる。

自動式投票計算機市場の1/3を占める、ドミニオンに関する申し立ての大部分は、奇しくも6つの激戦州、即ちアリゾナ、ジョージア、ミシガン、ネヴァダ、北カロライナ、ペンシルバニアとウイスコンシンで起こされている。なお、6州中、アリゾナとジョージア以外の知事はすべて民主党である。

 これらの州では、投票日の真夜中、投票の集計は中止された。この激戦6州で大統領はバイデン候補をリードしていたが、翌日の夜明け前、トランプ票は大量に削除され、ほとんどの場合、その100%がバイデンに振り分けられた結果、バイデンの勝利が明らかになった、とトランプ派は主張している。

法廷会計士(Forensic accountants)たちは、いわゆるベンフォード法則による、統計確率を適用すれば、選挙結果、とりわけペンシルベニア州では「詐欺行為」の兆候が明らかである、と語っている。

 

 ドミニオンの投票システムは全米30州の郡、市等で採用されているが、同社はこれらの申し立てに対して、全面的に否定している。だが、元連邦検事で現在トランプ陣営の弁護士チームに属する、シドニー・パウエルさんは近いうちに誰も抗弁出来ないような証拠、即ちドミニオンのシステムは2020年の選挙結果をバイデンに有利にするために改造された、と1112日のルー・ドブスの番組(Tonight on FOX Business Network)内で次のように述べている。

「私は一刻も早くドミニオンのシステム不正に関する証拠を提出したい、とうずうずしています。先ず初めにこのシステムはヴェネズエラのウーゴ・チャベス元大統領の投票結果を変更するために作られたものです。そして、このシステムは投票結果を操作するために、米国を含む世界各地で購入され、国際的に拡散しているのです。

 

 彼女の説明はまだまだ続く。例えば、ヴェネズエラのバックには中国とキューバがいて資金を提供していること、CIA,FBAもドミニオンとスマートマティックのソフトウェアに問題がある、との情報を得ていること、ドミニオンがワシントンで強力なロビイストと契約を結んだこと、ドミニオン社にはアンティファ(Antifa)の支援者がいること等々であるが紙面が尽きたのでこれで終わりとしたい。

 要するに疑わしきは、両社の自薦する選挙をより透明にするための「ソフトウエア」と両社の正体である。この件は目下、連邦検察が捜査中なのでその結果を待ちたい。
(終わり)


メキシコ小話A - 年忘れ用左上   メキシコ小話OK

「もう寝ちゃったの?」
     

amazon.com

      写真:(www.amazon.com)

【蛇足的まえがき】

 メキシコの商業は衣食住をはじめとして、未だにかつて同国を植民地としていたスペイン系に牛耳られています。彼らは故国から親戚縁者の若者を呼寄せると、先ず地方回りのセールスに送りだすのです。言葉の壁はないですから、初日から戦力になります。先日のアメリカ便り「カトリーナが死者の日の主役」でもふれましたが、褐色の肌色の混血メキシコ女性は、せめて自分の子供はより白く産みたいと願望するあまり、機会があれば白人男性に夜這いを仕掛ける「いじらしい女」が多いのです。従って、メキシコ小話「もう寝ちゃったの?」のような話はよくあることなのです。

 

 数十年前、若いスペイン人のセールスマン二人が小話のように、一夜の宿を求めた大きな牧場主の家で起こったエピソードをご紹介しましょう。

その家の住人は白人熟女と出戻りらしい、美貌の娘とお手伝いの小娘だけでした。テキーラなどが振る舞われ、母娘は若いセールスマンたちからスペイン事情を聞いて大いに盛り上がったのでした。

 

その夜、スペイン人たちは、同郷女性の魅力に抗しきれず、夜這いを仕掛けたのです。

こういう場合、女性の寝室に鍵がかかっていたら、諦めるしかないのですが、その夜、二人の寝室は何れも鍵がかかっていませんでした。ホセが熟女、べトは娘を選びました。

無事にことが終わると、熟女は「今夜は思いがけず嬉しかったわ、あなたの名前を教えてよ」と言ったそうです。後ろめたかったホセはとっさに相棒のベトの名前と住所を教えてごまかしたのでした。

 数年後、メキシコ・シティーに住むべトに例の熟女の弁護士から「会いたい」との連絡がありました。「あなたは数年前、セライヤ市のフェルナンデス夫人の家に泊まったことかありますか」と訊かれたべトがうなずくと、弁護士は驚くべき知らせを彼に伝えました。即ち、弁護士は亡くなったフェルナンデス夫人が彼女の全財産の半分をべトに贈与する、との遺言を伝えに来たのです。ホセがべトの名を騙ったお蔭で、べトに巨額の遺産が転がり込んで来たのです。さて、男性諸君、今度「夜這い」するとき、或いはされた時は、しっかり本名を名乗ることですな。

(テキサス無宿記)

 

一笑一若・メキシコ小話「もう寝ちゃったの?」

 ドジ男のババルカス(以下ババに簡略)が救急車で救急センターに搬送されてきた。

額と頭部は切り傷、青あざがあり、打撲傷で巨大に腫れ上がっているうえ、

額に血がこびり付き、髪の毛もザンバラになって、見るからに凄まじい恰好になっていた。

 

当番のドクターは驚いて、「どうしました? 強盗にでも遭ったのですか?」と訊いた。

ババ:「いいえ先生、自分で壁に頭をぶつけて、傷とこぶをつくったのです」と言った。

 

 ドクター:「それは又どうして?」と驚いて訊いた。

 

ババ:「一部始終を話します、先生」と言って、ババは話はじめた。

 

 以下はババの聞くも涙のストーリーである。

5年前、運転している車が故障してしまったのです。夜遅くて雨も降っていたので、一軒の農家に助けを求めました。話を聞いてくれた農家の主人は良い人で、「家に泊まっていきな」と言ってくれました。

 

 遠慮なく、泊めてもらうことにしました。娘さんの部屋を空けてくれて、彼女は居間に寝ることになりました。そうそう彼女はすごい別嬪でした。

夕食を食べ終わったご主人は二階に上がって行き、私は娘さんの部屋のベッドに入りました。

 

 しばらくして、音もなくドアが開くと娘さんが部屋に入ってきました。彼女は透け透けの黒いネグリジェを着ていました。

何の用かな?」と自問しましたが、何か忘れ物をしたのだろうと思い、寝たふりをしました。

彼女は数分間、何かを待っていたようでしたが、やがて出て行きました。

 

少し経つと、彼女は再び戻って来ましたが、私はまた寝たふりをしました。彼女は何しに来たのだろうか、と私は不審に思いました。

すると、彼女は私を揺り動かして、目を覚まさせようとしました。しかし、私は彼女が何を欲しているのか分からなかったので、また寝たふりをしました。

彼女は再び部屋から出て行きました。

 

ところが、驚いたことに少し経つと、また彼女は部屋に入って来ました。何しに来たのだろう、と私は不安になって来ました。

今度は私の耳に口を近づけた彼女が「もう寝ちゃったの?」と訊きました。

良い匂いがしました。

 

それでも、私は寝たふりを続けました。何故なら、娘さんが何を欲していたか想像も出来なかったからです。

私が目を覚まさなかったので、諦めた彼女は部屋を出て行き二度と戻って来ませんでしたた。

 

  先生、あれから五年経ちました。その後ずうっと、私はこの件について自問自答してきました。あの夜、彼女は何を求めていたのだろうかと……。 

 

 ついさっき「あっ、そうか!」と、やっと彼女が何を求めていたのかに気が付いたのです。

そして私は壁に頭をぶつけ続けたのです、何度も何度も。

どアホな自分が情けなくて、愛想が尽きて、腹が立って………

 

お後がよろしいようで……


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バイデン氏「凡人」が目指す「皆の大統領」 
産経新聞ワシントン支局長 黒瀬悦成
1.reuters.com

               写真:(www.reuters.com)
【蛇足的まえがき】
 米大統領選の開票は混迷が続いたが、8日やっとバイデン前副大統領の勝利が決定した。とは言っても、トランプ大統領はまだ敗戦の弁を語っていないので、まだ選挙戦の混迷は続いている形である。
 2020年大統領選はマスコミ、各調査機関がバイデン候補の優勢を「強大な青い波」と形容して、同氏の圧勝を予想したが、実際はトランプ氏が予想外に善戦して、史上まれに見る大接戦になった。このバイデン優勢断定の根拠を、米マスコミは現在の米国社会における、人種差別、貧富の差がより深刻になったのは、トランプ大統領の偏狭な統治の結果であると説明していた。だが、投票所の出口調査では、トランプ氏は黒人では前回の8%から12%、ヒスパニック系では28%から32%、アジア系では27%から31%に夫々得票率を増加させたことが判明した今、この説明は根拠を失っている。

 一方、筆者が見たTVの激戦州の選挙結果によると、赤州(共和党が優勢な州)の郡(county)別投票結果はそろって、全般的に赤が優勢であっても都市部に限ると、青色が優勢だったのが印象に残っている。要するに高学歴者が多い都市部の票がバイデンに流れた結果なのだろう。これは、前回はトランプ氏に投票した高学歴者、特に女性票が、彼のコロナ対策に厳しい視線が注がれたことが、バイデンに有利に作用したものと見られる。

 とにかく、2020年の大統領選挙ほど異例ずくめの選挙は初めてではないだろうか。総投票数も1億5千万に達したというから新記録を樹立したことになる。
さて、今回の大統領選は、余りにも複雑かつ混迷を極めたため、とても総括、解説する自信も情報もなかった。ところが、筆者が思わず膝を打って同意したのが、下記に掲載する、産経新聞ワシントン支局長・黒瀬悦成氏のレポートだった。というわけで、下記に同氏の「バイデン氏『凡人』が目指す『皆の大統領』をそのまま拝借して掲載します。いずれの側にも偏らない日本人記者の鋭い論評をご覧ください。(テキサス無宿記)

バイデン氏 「凡人」が目指す「皆の大統領」 
産経新聞ワシントン支局長 黒瀬悦成

第46代米大統領への当選が確実となった民主党のバイデン前副大統領の好物はアイスクリームだ。中でもバニラ味のアイスに砕いたチョコレートを混ぜ込んだ「チョコチップ」がお気に入りなのだという。
  同時に「バニラアイス」とは、平凡で政治家としての特徴が少ないバイデン氏に対し、多くの有権者が揶揄の意味を込めて口にするあだなでもある。

 党派を超えて知己が多いワシントンの長老政治家であるバイデン氏が今回、3度目の正直で当選を果たしたのは、この「凡庸さ」におうところが大きい。

 バイデン氏は「私は、自分を支持しなかった人のためにも働く。全ての米国人、皆(みんな)の大統領になる」と訴えた。こうした姿勢が、良くも悪くも騒々しく、好き嫌いが明確に分かれる「トランプ劇場」に疲れた多くの有権者に「安らぎのメッセージ」として受け入れられたのだろう。
2.getty (1)3.gettyimages








                 写真はともにGettyImages
 大統領選の終盤、中西部の激戦州などで新型コロナウイリスの感染者数が再び増え、自身も感染者となったトランプ大統領の新型コロナ対策に改めて厳しい視線が注がれたことも、新型コロナをめぐるトランプ氏の「失政」を争点の中心に据えたバイデン氏に「最後の一押し」となった。

 だが、そんな「凡人大統領」の前には、新型コロナ危機で甚大な打撃を受けた経済の再建という重い課題がのしかかる。

 バイデン氏はそれらの国難を乘り切るため、1932年の大統領選で、世界恐慌への対応に失敗した共和党のフーバー大統領を破った民主党のフランクリン・ルーズベルト氏(在任33~45年)を引き合いに「米国を団結させる」と訴える。

 だが、民主党の長期支配を確立させたルーズベルト氏の「ニューディール大連合」のひそみにならう「国民連合」の再現をバイデン氏に望むのは難しい。

 バイデン氏は史上最多の票を獲得したとはいえトランプ氏とは接戦となり、「米国第一」を唱えるトランプ氏の政治理念がこの4年間で米社会に幅広く浸透したことを印象付けた。

 また、民主党は今回の上下両院選で不振が目立ち、バイデン氏は同党大統領として第22代クリーブランド大統領以来136年ぶりに自党が上下両院を制していない「ねじれ状態」の中で就任する可能性がある。

 しかも、民主党の内部でもバイデン氏を筆頭とする穏健な主流派と、台頭する急進左派とのせめぎ合いが激化するのは必至だ。

 バイデン氏は選挙戦で急進左派的な主張を抑制し、有権者に不安を与えないように注意を払ってきた。 

しかし、同氏の当選は左派勢力の貢献抜きにはあり得なかった。急進左派は来年1月のバイデン政権発足に向け、主要閣僚のポスト確保など影響力拡大に早くも動いているとされる。

反ウオール街や富裕層増税を訴えるウオーレン上院議員の財務長官就任説など急進左派の政権入りも現実味を持って語られ始めた。そうなれば回復の兆しが出ている経済が再び低迷し、「バイデン恐慌」に陥りかねないとの懸念は強い。

バイデン氏が「皆の大統領」として実績を上げたいのなら、まずは自身の足元を早急に固める必要がある。さもないと、「トランプ氏を倒した時点で役割を終えた大統領」として記憶されるだけに終わるだろう。(終わり)

メキシコ小話A - 年忘れ用左上 
メキシコ小話OK

「次の赤信号…」
thooughtCo

                  写真:(www.thoughtCo.com)
【蛇足的まえがき】
メキシコのホワイト・ハウスである、大統領官邸の大統領護衛隊に勤務するガルシア警部補(仮名)は、ある日官邸前の大通りを高速で通過した、赤いスポーツ・カーを追跡して、停車を命じた。彼はメキシコ・シティー警察本部交通課から派遣された、白バイ隊員だった。
彼が「免許証を見せてください」という前に、車の窓が10センチほど下がり、10米ドルが差し出された。思わず紙幣を受け取ると、運転者は彼を見てウインクすると窓を閉め、車を発進させた。何とそれはロペス・マテオス大統領(1958~64)だった。

この逸話を警部補から聞いたのは、1963か64年のことだった、と思う。現役の大統領から袖の下をもらってしまった彼は、馘首かよくても左遷は免れぬと思い、首を洗って待つ心境だった。だが、幸い何事も起こらず、20年後警部補はメキシコ・シティーの隣州である、モレロス州の警察本部長に出世していた。
このようにメキシコ国では交通巡査に捕まったとき、いくらかの「袖の下」をつかませると、違反切符を免除してくれることが、日常化している。袖の下をスペイン語ではMordida(モルディーダ)と言う。直訳すると、「かむ、ほうばる、食べること」である。この言葉は17、8世紀にその起源があり、当時は今とは違う意味だった。機会があったらその語源をご紹介したい。

さて、「モルディーダ」はメキシコの文化ともいわれるほど、この恥ずべき習慣は有名になっている。何しろ、名大統領と称えられたロペス・マテオス氏が率先して行ったのだから、「文化」と言われても仕方ないのである。(テキサス無宿記)

メキシコ小話「次の赤信号…」
男性は赤信号で停車せずに通過したところ、交通巡査に止められた。
巡査は男性に免許証と車検証とナンバープレートを没収する、と宣告した。

「お巡りさん、何とか穏便に解決する方法はないですか?赤信号を通過しただけですから」
と男性は懇願した。

「まぁ、良いだろう。今日は暑いから冷たい水代として100ペソ(500円)で勘弁してやろう」と巡査は妥協した。

男性は財布を取り出したが、あいにく200ペソの紙幣しか持っていなかった。
「200ペソの紙幣しかないので、お釣りをくださいよ」と言って、紙幣を渡した。

「俺も釣りはもってないよ。それじゃ、次の赤信号も通過して良いよ」。
と言って、巡査は紙幣をポケットに入れた。

お後がよろしいようで……。

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