見上げてごらん……
一笑一若・アメリカ小話「見上げてごらん…」
見上げてごらん……
アメリカ便り Letters from the Americas 様々なアメリカ&メキシコ事情と両国の小話
老牧場主、60才差の美女と結婚
写真:(www.freepik.com)
【蛇足的まえがき】
光輝高齢者の男性が50才も若い花嫁をもらう小話は、アメリカでもメキシコでも最も人気があるテーマの一つである。日本でも剣客商売の秋山小兵衛が41才も若い「おはる」を後添えに迎えて、我々光輝高齢者を羨ましがらせてくれる。
アメリカは結婚したカップルの50%が離婚する、と言われる。従って、再婚するカップルも必然的に多い。年取ってから女房を亡くした男性が、50才差の女性と結婚するのも珍しくない。まぁ、女性の方は2,3年我慢すれば、遺産が入るなどと考えているのかもしれない。さて、今回の牧場主の嫁取りが「吉と出るか凶と出るか」。以下の小話をお楽しみください。
(テキサス無宿記)
一笑一若・アメリカ小話「老牧場主、60才差の美女と結婚」
80才の牧場主が芳紀20才の女性と結婚寸前である。
彼の親友であり相談相手でもある地元の銀行家は、友人がそのような若い花嫁と一緒に暮らして、長続きするだろうか、いやそれが友人の幸せになるのだろうか、と心配どころか、友人の身を思うと、恐ろしくなってきた。
そこで友人の結婚の幸せが長引くようにと、銀行家は友人に、牧場の仕事を手伝ってくれる、助手を雇ったらどうだ、と提案した。ひょっとしたら、助手は寝室でも牧場主の夜のお勤めの手伝いもしてくれるだろう、と銀行家は考えたのである。
牧場主は即座に「それは良い思いつき」だと言って、アイディアを採用した。
4ヵ月後、銀行家は友人の牧場主に電話して、「新婚生活はどうだい?」と訊いた。
「二人とも大満足している。それに女房は妊娠したよ」と老牧場主は得意げに答えた。
銀行家は心得顔に、「それはおめでとう!そう、そう、助手はどうしてる?」と訊いた。
牧場主は「おお、彼女も妊娠したよ」と答えた。
お後がよろしいようで…。